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2022年6月号 ワンストップショッピングニーズへの対応が業態を超える

小売経営の基本は、(株)セブン・イレブン・ジャパンの鈴木敏文元代表取締役社長の「小売業は変化対応業である」という言葉が表すように、店舗の形態、商品の品揃え、販売方法等を、その時々の消費者ニーズにあわせて変化させていくことにある。

 

今年に入りセブンイレブンが、100円シヨップのダイソーと組んで、セブンイレブン店内で「ダーソー」の売り場を本格的に展開している。商品ラインナップとしては、清掃グッズやセットで100円の文房具、車のシートフックなどといった通常はコンビニに置いてない商品が中心である。

 

この背景として、消費者のニーズが新型コロナの感染拡大で、以前と比べて複数のお店を回るよりも「できる限りいろいろなところにはいきたくない」「1店舗で済むなら済ませたい」と考える人が多くなったことがあります。また、売る側のセブンイレブンの立場でも、お客さまが100円ショップ商品目当てで来店しても、コンビニ商品をついで買いをしてくれることがあります。

 

同業者であるローソンは良品計画と、全国のローソン店舗への「無印良品」の本格導入を開始することになりました。良品計画とロ-ソンの理念が似ていることがあります。良品計画は、「感じ良い暮らしと社会」の実現のために、生活の基本となる商品やサービスを手に取りやすい価格で、全国津々浦々までお届けすることを目指しています。また各地域の店舗を地域コミュニティセンターと位置づけ、地域の活性化に貢献していきたいという考えをもっています。

 

一方、ローソンは、「私たちは‘みんなと暮らすマチ‘を幸せにします。」というグループ理念のもと、社会課題を捉え地域社会の暮らしに新しい便利をお届けできる「マチのほっとステーション」の実現を目指しています。全国のローソン店舗に「無印良品」の商品を展開することで、全国津々浦々のお客さまのお役に立つ新しい価値をお届けすることができると考えています。

 

これからも環境変化に即応し、柔軟に変化していくことこそが小売業の成長要因であり、変化する消費者ニーズへの的確な対応が出来なければ小売企業の成長はないといわれています。「変化」の結果こそが、その時代における「求められる業態」の姿であり、小売業が環境変化に適合することがこれからも求められていきます。

 

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