2026年10月号 気候変動の影響と対策
気候変動の影響としては、気温の上昇・嵐の被害の増大・干ばつの増加・海の温暖化と海面の上昇・生物種の喪失・食料不足・健康リスクの増大・貧困と強制移住等があげられます。
これまで気候変動に関して、いくつかの懸念材料が指摘されています。
(1)現在の急激な気候変動は、化石燃料の使用や森林破壊など人間活動による温室効果ガス(GHG)の増加が主な要因です。
(2)地球規模で進行する気候変動は、影響は多方面にわたり世界各地で年平均気温の上昇、猛暑日や豪雨の発生回数・頻度の増加、食料や健康問題の悪化、そして気候難民の増加といったさまざまな形で深刻化しています。
(3)温暖化の傾向は、北極海の海水や永久凍土の融解や海面水位の上昇を加速させ、広範囲にわたる生物の絶滅リスクなどの生態系への悪影響を引き起こしています。
(4)気候変動がもたらす悪影響は、食料供給と健康面にも及んでいます。高温や干ばつ、豪雨が作物の収穫量減少や品質低下を招き、世界的な水不足や農作物への被害につながっています。
(5)いま気候変動は移住や避難を余儀なくされる人々を増加させ、気候難民という新しい社会課題を生み出しています。2050年までに2億人以上が国内移動を余儀なくされる可能性を世界銀行が指摘しています。
気候変動対策の国際的な基盤となっているのが、1992年に採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)です。この枠組みの下で、2015年には「パリ協定」が採択され、世界共通の長期目標が示されました。その中心は、産業革命前と比べた世界の平均気温上昇を「2°Cより十分低く抑え、可能な限り1.5°Cに抑える」ことです。2025年11月にはブラジル・ベレンでCOP30が開催され、多くの国や地域が参加し、パリ協定の進捗確認や今後の対応強化の方向性が議論されました。
経済的な観点からも、多くの企業は気候変動を経営上の重要リスクとみております。
日本経済新聞(2026年8月22日付 朝刊)の記事は下記の通りです。
2027年3月から始まるサステナビリティ開示基準では財務影響の開示が求められ、企業側は対応を迫られています。サステナビリティ開示基準(SSBJ基準)は気候変動リスクと機会が貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)、キャッシュフロー(CF)に及ぼす影響を可能限り金額で示すことを求めております。企業が気候変動リスクを認識しつつも影響額の算定が難しい背景には影響要因の複雑さがあります。二酸化炭素(CO2)排出量の規制や炭素税といった政策は国や地域によって異なり、時の政権の政治判断に左右されます。平均気温の上昇や自然災害の予測も容易ではありません。
まずは、ふだんのお暮らしの中でひとりひとりが、CO2の排出量を減らす意識を持つことが大切です。