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2017年10月号 ESGからの企業価値について

地球環境問題に対する関心が広がり、経営戦略としてのCSR活動に着目する企業が増える中で、環境や社会的側面を考慮するESG投資が広がっている。ESG投資とは、財務情報といった従来からの投資尺度だけでなく、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)などの非財務情報も考慮しつつ、収益を追求する投資手法のことを指す。

 

ESG投資の背景として、1980年~2000年頃に生まれた「ミレニアム世代」は前の世代と異なる価値観を持ち、消費などさまざまな経済活動を変えつつありかつ担いつつもある。ESG投資は、マネギメントの質、顧客基盤、ブランドなどと同様の無形資産と捉え、無形資産としてのESG価値を高めることが企業価値の最大化に繋がると考えられる社会になってきている。

 

通常の株式投資では、財務の観点からのみ投資を行うところを、ESG投資では、それに加えて、環境問題への取り組みや、株主、顧客、従業員、地域社会など、利害関係者(ステークホルダー)に対し、いかにCSR(企業の社会的責任)を果たしているかをチェックして投資する。

 

株式会社東京証券取引所グループは、ESGで企業を視ており「環境」については、業種別に、産業特性に合わせた評価基準を定め、環境経営、環境戦略、製造工程、製品配慮等の項目で、環境負荷への重要度・リスク度を反映した評価をしています。「社会」は、従業員施策、社会貢献活動、顧客・調達先への対応などをもとに、「ガバナンス」は、企業統治、法令遵守体制等を踏まえ、全業種統一の評価基準による評価をしている。

 

良い会社の定義を「業績が成長する会社」という尺度から、「環境や社会に良いことをし、社会の共感を得ながらじっくり長期的視点で育つ会社」に変化させていくことが求められる。ESG投資をするか否かではなく、今後ESG投資を全く考慮しない企業投資が果たしてどこまで市場で優位性をたもてるのかを考慮するべきである。どのようなESG投資をするかというステージに入ってきており、新たな企業価値を持つことで存在価値が増す時代が到来したと言える。

 

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